6月5日、火曜日。
夜、散歩した。
夜の散歩から帰宅。東京ならともかく、この田舎町でこの時間に散歩するのはいささか勇気がいる。 pic.twitter.com/sQE8HhUf0S
— Sukeza (@anykindoflove) June 5, 2018
母のいる特養まで歩き、ぐるっと近所を回ってきた。歩きながら、30年前にタイムスリップできないかなと思った。もしかしたら、強く願えばできるんじゃないかなどと。しかし、当たり前だが30年前どころか5分前にもタイムスリップはできなかった。
時が戻せたならば
愛し合うことさえも 思いのままに(「時よ」吉田美奈子)
何故時間は一方向のベクトルにしか進まないのだろう? というか、一方向のベクトルに進むことそのものを時間と呼ぶのか。ならば僕らはただ流されるしかないのか。
街灯も少ない夜の田舎町を歩いていると、気持ちのいい風が吹いてきた。夜更かしの人もそうでない人も、町はひっそりと寝静まり、ときおり思い出したように車が通る。時をさかのぼることはできないけれど、歩いていればそのうちどこかに辿り着く。ぐるっと一周して戻ってきたのは、出たときと寸分違わぬ家だった。正確に言えば、出たときから30分後の家だ。つまるところ、僕は30年前に戻るのではなく、30分後の世界に辿り着いたのだった。
すべてはいつか懐かしい思い出になる。かなわなかった恋さえも。そして、あなたはいつかきっと、僕を忘れてしまうだろう。