Trois

9月19日、水曜日。

それなりに煮詰まった夢を見て、10時14分起床。この中途半端な起きた時間が、中途半端な今日という一日を表していた。とはいうものの、すべてがそこそこだったというだけでとりたてて文句をいうようなことではない。日中はそこそこ暖かく、そこそこ動けている時間にちびちびと相場のトレードをして、そこそこ具合が悪くなるとソファで昼寝して、起きるとまたトレードをして……というように、体調がそれなりのときはそれなりに、悪いときは悪いなりに過ごした。日の当たる書斎は日中暖かく、午後になってちょっと冷房を入れたくらいなのだが、夕方になって気分転換に久しぶりに玄関先の草取りをしに外に出ると、空は晴れ渡り、暑くもなく寒くもなく、素晴らしく気持ちのいい日だったことが判明。強いていえばこういう天気の日に日中のほとんどを書斎に篭って過ごしたことが残念といえばそうなのだが、とはいうものの所詮アウトドアな人間ではなく。

相場では昨日の負けを一気に取り戻そうということはせず、ちまちまとスキャルをしてそれ相応のプラスになっただけでよしとする。欲はかかない。

夜、YouTubeでスティーリー・ダンの「Aja」の制作裏話的なドキュメンタリー動画を見て、ああそうだったよなあといたく感心。ともすれば忘れがちな70年代を思い出す。音楽の多様化という点で70年代は一番面白い時代だったと思う。カンブリア紀の大爆発みたいに、ありとあらゆる音楽の萌芽があった。

あのころ、スティーリー・ダンの曲は奇妙なコード進行などと呼ばれたが、今聴くと実にスムーズでまったく自然だ。小室のように気をてらった不自然な転調みたいなものではない。

考えてみると、後期ビートルズや初期のジノ・ヴァネリなどを含めて、僕らは10代のうちになんと豊かなものを与えられていたのだろうかと思う。そして、ともすればそんな感動さえいつの間にか忘れてしまったりするのだ。

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