4月26日、日曜日。
10時15分起床。朝食後に血圧を計ったら、上が98しかなかった。午後昼寝を試みるも不発。4時の予約だった精神科は4時45分に来てくれと言われた。
精神科から帰宅。次回から電話診察もありということだった。処方薬局で薬を待つ間、表で煙草を一服。精神科の向かいの喫茶店も、この町一軒だけのパチンコ屋も休業しているようだった。医者でも薬局でも感染対策が厳重でまるで感染者扱い。世界はすっかり変わってしまった。
— Sukeza (@anykindoflove) April 26, 2020
気がつくと日曜とはいえ誰しもが車で移動するこの田舎町も、走っている車が随分と少なかった。なんだかゴーストタウンと化してしまったような気がした。
考えてみればこの町がゴーストタウンになったのは今に始まった話ではない。もう随分前、それこそ10年どころじゃなく20年ぐらい前から、帰省するたびにゴーストタウンになったような気がしていた。そもそも誰も歩いていないし、僕が子供のころに目抜き通りだった通りはシャッター街と化していた。今思えばそれは単に東京との落差に過ぎなかった。
町の中央公園の広報スピーカーから「不要不急の……」というメッセージが人工音声で流れる世紀末感。
— Sukeza (@anykindoflove) April 26, 2020
こんな風に午後の3時半という中途半端な時間に人工音声が聞こえてくると、本当のゴーストタウンになった気がするのだった。医者、薬局、スーパー、コンビニ、どこの窓口もビニールシートが張ってある。世界はもう変わってしまったのだ。果たしてこれは元に戻るのだろうか。コロナウイルス発祥の地である武漢で、ウイルス感染の入院者がゼロになったというニュース。ということは、今はただのタイムラグの最中にいるということなのか。
夜、アマゾンのプライムビデオに岩井俊二監督「Love Letter」を見つけて見始めた。昔、とても好きな映画だった。よくよく考えるとなんてことはない映画なのだが、今でもこの映画を見るとセンチメンタルな気分にはなる。そして、何故かレコード会社時代を思い出す。たぶんレコード会社を辞めた直後の映画だからなんだと思う。途中まで見たが、思うに自分はこの映画の中にセンチメンタルなものを探してしまうのだということに気づいた。それではまんまと岩井の術中にハマったことになる。
すべては形骸だ。センチメンタリズムですらもリアリズムとはちょっと違う場所にある。
赤松利一『藻屑蟹』読了。圧倒的なリアリティをもって描かれる原発事故後の福島。しかし残念ながらラストの結末は途中で見えてしまった。どうにもこれ以外に結末のつけようがないだろうというところに案の定。
— Sukeza (@anykindoflove) April 26, 2020
ついでを言えば中上健次の処女作である「一番はじめの出来事」も読み終わった。
明日は現実に戻ろう。