9時45分起床。起きてみると、とにかく身体がダルい。どうにもならないくらいに。これがいつもであれば少々ダルくても一応業務に向かったりもするのだが、今日から世の中が3連休ということも頭に浮かんだけれど、それどころじゃなく、ダルくて動けなかった。とにかく、PCの前に座っているのも辛い。そんなわけなので本日は自宅入院状態、外出したのは食事を買いにコンビニまで出た2度だけ、後はほぼソファの上で横になって過ごした。何も出来ないので眠ってしまおうと努力した甲斐あって、夕方に2時間ほど気絶、目が覚めると日が暮れて部屋の中は真っ暗だった。酷く気分が悪かった。吐き気止めを飲んでも、ドグマチールを飲んでもあまり効果がなかった。ドグマチールを飲むと普通はやたらと食欲が出る(太ると言われている)筈なのに、まったく食欲がなかった。夕食はセブンイレブンから買ってきたカップラーメン。丸1日そんな調子で、これほど動けなかったのはいつ以来だろうか。お陰で精神的にも水死体になって1日沼の底にでも沈んでいるようだった。
本日かろうじて出来たのは寝ることと本を読むことだけ、そんなわけでもうカポーティ「ティファニーで朝食を」読了。表題作、素晴らしいとしか言いようがない。カポーティには上質なユーモアがあるし、文章が非常に洗練されている、という表現自体はユーモアはないし洗練されてもいないけれど。同じように「お洒落で都会的な小説」という表現はお洒落でもないし都会的でもない。しかしながらそう書くしかないほど魅力的。この中編には全編を通して希望と絶望とが絶妙にブレンドされていて、読後感が素晴らしい。従って、3編の短編が併録されているけれど、そっちはさしたる作品ではないしむしろ水を差すので、日を空けて読むかそれともむしろ読まなくてもいいと思う。訳者の村上春樹との相性もいい。ただし、最近の村上作品同様、「おおむね」が多いのはちと気になるけれど。あとがきに訳者が書いているようにこれは大人の寓話なのかも知れないが、それはヒロインであるホリー・ゴライトリーがあまりにも魅力的な人物であるからに他ならない。有名な映画を僕が未見であった、ということも幸いしたと思う。オードリー・ヘップバーンが主演したことは知っているものの、「マイ・フェア・レディ」と混同していたぐらいだから。とにかく、こんな体調でも読み終わったときにほんわかとした幸福感を覚えるというのは凄いことだ、と思う。