初雪

午後から初雪。寒いだけでも鬱屈するのに、雪が降ると超鬱屈。こうして、僕の大嫌いな雪に閉ざされる山形の寒くて長い冬が始まった。予報によると、明日の最高気温は5度。まったく、4月まで冬眠してしまいたい。実際、今日は寝てばかりいた。朝起きてみるとどうも風邪気味らしかった。なので、午前中はソファで寝て、午後少々業務に行き、雪が降り始めたので帰宅してコタツでまた寝た。しかし、相変わらず嫌な夢ばかり見る。寝覚めが悪いことこの上ない。どうも口を開けて寝ているらしく、喉がからからになる。寝ては鬱屈し、寝ては鬱屈し。一体どうやったら意図的にいい夢を見ることが出来るのだろうか。

以前も書いたと思うが、何かで読んだのだが、夢というのは記憶を脳内でランダムにつなぎ合わせたものらしい。確率的に、そんなに悪い記憶ばかりが多いのか。結構いい記憶だって一杯ある筈なのだが。実際、いい感じで夢を見ているときは、途中でこういう風に展開したいなどと思い、ある程度夢のストーリー、進行を操作出来る感覚がある。結局のところ、そのときの心理状態、精神状態が左右するのだろうか。つまり、僕は悪い夢を見たいと深層心理の中でどこか願っているのだろうか。まさか。確かに僕はどうせならいい夢を見たいと思いながら寝ている。この、夢を見たいというところが間違っているのだろうか。嫌な夢を見て嫌な感じで目が覚めるぐらいなら、いっそのこと夢など見ない方がいい。なら夢など見ずに、それこそ泥のように眠りたいと思って寝るべきなのだろうか。

考え過ぎだ。

母は日に日に何も出来ない人になっていく。何かをしようとすると、まるでナマケモノかスローロリスか亡霊のように動きが遅い。立ち竦む。散々声をかけて振り返ると本当に亡霊のようで一瞬怖くなる。

僕は冬とか雪を意識し過ぎているのだろうか。それで母の状態までシンクロしているように見えるのだろうか。何事も重苦しく思えてしまう。それにしてもこんなに早く雪が降るなんて。知らなかった。

そんな調子なので何もやる気が起きない。やりたくない。「いい感じで」という条件つきで眠り続けたい。何もしたくない。生きていることすら面倒だ。

今日の煙草は22本。あれだけ寝たのに、自宅にいる時間が長ければ長いほど煙草が増える。明日は昼ちょうどに母の病院なので、業務に行くことも出来ない。おまけに終日雪らしい。起きる気がないので、たぶん朝ゴミは出せないだろうな。ああどうしてこうも憂鬱なのか。ただ寒いというだけで。雪が降るというだけで。

今読んでいる丸谷才一「たった一人の反乱」、確かによく出来た小説なのだが、今の気分は中年男の恋などを読む気分ではない。エルロイの「アメリカン・タブロイド」が届いたけれど、父の書棚にずらりと並んだ塩野七生「ローマ人の物語」、この冬で全部読もうかと思案中。さっき序文だけちらりと読んで、読みたくなった。今は少しでも「したい」という気持ちが大事だ。


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