乖離

昨夜はあれから原田眞人監督「タフⅢ」を見てしまい、寝たのは4時。今朝は9時に起きた。だが、今日は昨日のように異様に眠くはなかった。違いがどうもよく分からないが、昼寝を2度したせいだろうか。

午前中は指値をしたあと、片付けなどの家事雑用をして過ごす。いまだに業務行く気なし。天気がよかったので山の方に行って昼を食べようと、セブンイレブンでサンドウィッチとパンを買って車で山に向かう。町外れの山深く、駐車場と展望台だけがあるところ。本来なら人造湖があるのだが、どうも行き方を忘れてしまった。

hikiryu

奥深い山の中は人の気配がない。ただ鳥の鳴き声と、ときおり吹く風で木々のざわめく音だけが聞こえる。どこかでウグイスが鳴いている。梢が揺れる。村上春樹の処女作のタイトル、「風の歌を聴け」を思い出す。昼食を摂り、コーラを飲みながら煙草を2本吸った。僕は確かに風の歌を聴いた。人の気配がないというのは、どこかほっとする。ただ陽光と緑と風だけがある。

暑い日だった。帰宅すると書斎の窓を全開にする。普段1個しか食べないパンを2個食べたというだけでまた眠くなる。少し眠ろうとソファに横になる。すると、少しの筈が2時間ワープした。もう夕刻である。PCを見ると、指値が2つ成立していた。今夜はキプロス戦、念のため録画予約をして、夕飯の米を仕掛けてから母のところに顔を出す。母は昨日よりは少し落ち着いていた。

で、親善試合、日本×キプロス、1-0を見る。フィジカル重視のトレーニングをみっちりと済ませたところだから、全員のコンディションがよくないのは分かっていた。動きは当然重いだろうというのは予測出来た。故障で試合から遠ざかっていた内田が先発というのにちょっとびっくり。久しぶりの試合だというのに内田の動きは悪くなく、虎の子のゴールまで決めた。案の定、特に前線の本田、香川、柿谷辺りは動きが悪い。特に本田はパフォーマンスが重く、これはミランの試合でもそうだった。この動きの本田であれば、大久保か香川トップ下の方がいいのではないかと思うぐらい。そんな中でも長友だけはぐいぐいと動き、さすがにスタミナあるなあと感心。後半は同じく故障明けの長谷部と吉田麻也が登場、本日の収穫は内田、長谷部、吉田という故障明けの主力選手が普通にプレー出来たということ。それだけで十分だと思う。交代で大久保が出ると会場は盛り上がり、伊野波が入ると盛り下がる。なんか伊野波が可哀想。判官贔屓というか、応援したくなる。いずれにしても、コンディションを整えるという意味でも、今日の試合はこれで上々だったのではないか。肝心なのは本番だから。

試合後は「タフⅣ」を見る。こうやってシリーズを通して見ると、原田本人が監督したⅠ、Ⅲ、Ⅳはよく出来ているし面白い。Ⅱだけちょっと粗くて雑な印象を受ける。まあ殺し屋が主人公という荒唐無稽な設定だから話が劇画になるのは当然、ⅢⅣでは幽霊まで出てくるし、所詮無茶な話ではあるのだが、肝心なのはその劇画的リアリティというか空気だ。このシリーズはこの後番外編と劇場版があるのだが、そこでは一気にテンションが落ちる。Ⅳまで見れば十分。

しかし、こんな風に日々を過ごしていると、自分自身が世間やら社会はもちろん、現実というものから乖離しているような感覚を覚える。今日は昼間、山奥で風に吹かれて鳥の声を聴いていたから余計だ。ともすると、時の流れというものからすら乖離しているように思える。そんな風に、現実逃避すれすれのところで今の僕は生きている。夕方成立したポジションが夜になって日当を叩き出し、かろうじて僕を現実に繋ぎとめる。


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