3月13日、金曜日。
夕方、ハリルホジッチの就任会見があった。スカパーでリアルタイムで一部始終を見た。ハリルホジッチ、とにかくよく喋る。一を訊くと十を語る。で、そのわりには質問と全然関係ないことを答えていたりする。ただそれだけ熱意は伝わる。元代表の秋田が質問の中でさりげなく「ホジッチ監督」と呼んだのが意外と違和感なくてもしかして流行るかも、などと思った。「何ジャパンと呼べばいいですか」というお約束の質問には全然関係ないことを答えていた。今日分かったのはハリルホジッチが話が長いということと、鼻が高いということ。いずれにしても、これだけやる気のある監督が就任したのは喜ばしいことではないかなと。否が応でも期待してしまう。
それはいいのだ。問題は僕自身だ。かなり深刻である。何かというと、最近とみに物忘れがひどく人の名前が出て来なかったりするのだが、どうしても横浜Fマリノスの監督、モンバエルツの名前を覚えられないのである。5分経つと忘れてしまう。病的だ。モンバエルツ、モンバエルツ、モンバエルツと3回唱えて覚えたつもりでも、ちょっとすると、あれ、モンバアレツ? モンバルエツ? という具合に忘れてしまうのだった。どうもモンバエルツの「モンバエ」というところを覚えられないらしく、「モンバル」となってしまい混乱の極み。Mombaertsなのだからフランス語読みで普通にモンベールだったら覚えられそうなのだが、モンバエルツというのは。なんでこんなに覚えられないのだろうかと悩む。
そんなことで夜散々悩んでいて、ミクシィにコメント書こうと思ったら「ローズマリーの赤ちゃん」の作者の名前がどうしても出て来ない。愕然とした。ホラー小説の中で一番好きなのに。確かにネットでググったらすぐ分かる。分かるが、そういう問題ではない。ウディ・アレンみたいな名前だったような気がするが、どうしても出て来ない。いくら考えても出て来ない。もうひとつの代表作も文庫本の表紙の印象までは思い出せるのだがタイトルが出て来ない。諦めてググる。アイラ・レヴィンだ。うーむ、ウディ・アレンという連想は近いような遠いような。もうひとつの代表作は「死の接吻」だった。しかしなんでアイラ・レヴィンの名前を忘れてしまったのか。これは単なる記憶力の劣化というにはあまりにも酷いのではないか。脳の劣化、健忘症というよりも記憶障害ではないのかと真剣に悩む。下手すると若年性のアルツではないかと。
そういえばときどき、相場でポジションを持っていてもチャートを見るどころか相場をやっていることそのものを一瞬忘れたりすることがある。それどころか、何を思い出そうとしていたのかすら忘れることがある。もうこうなると末期的な症状ではないかと。
そこでもうひとつ、町内に2つあった老舗旅館の片方の名前を思い出してみる。すると、少し時間はかかったもののこちらはなんとか奇跡的に思い出した。対葉館。確かめるためにググってみる。だがとっくの昔に廃業したはずだから出て来ないだろう。ところが出てきた。確かに対葉館で合っている。しかし、畳んだはずの旅館が存在している。しかも記憶と違う場所に。地図を見ると、そこではないはず、そこにはない場所に。
とにかく驚くべき記憶力の酷さ。悲惨極まりない。確かに一時期薬漬けになったときに時間の感覚、観念がなくなったことはあった。とすると、これもそういった薬(安定剤)の影響、副作用なのだろうか。と、ここで改めてウィキペディアでベンゾジアゼピン(安定剤、睡眠薬)の副作用を調べてみる。すると……。
ベンゾジアゼピンの短期的な使用は、認知機能に様々な悪影響を及ぼし、最も顕著なことは新たな記憶の形成と統合を妨げたり、完全な前向性健忘症を誘発することである。しかし研究者らは、長期投与の影響に関する逆の意見を持っている。ある見解では、多くの短期間の影響が長期的に続く上にさらに悪化し、ベンゾジアゼピンをやめても解消しないということである。
こ、これかもしれない……。認知機能の障害か。そういえば、業界時代、30代のころは都内にあるすべてのスタジオとコーディネーターの電話番号を暗記していたというのに、今となっては弟の電話番号ひとつ覚えられないのだ。なんていうか、悲惨だ。薬の副作用ということは若年性アルツの初期症状というよりはマシなのかもしれないが、記憶障害ということに変わりはないではないか。それに薬を止めても解消しないというのは。
ダメじゃないか。前向性健忘って、映画「メメント」の世界ではないか。
そんなわけで、本日のところは「モンバエルツ」「アイラ・レヴィン」「対葉館」、この3つは覚えようと固く決心するのであった。千里の道も一歩から。まったく途方もない。
どうりで午前中何をしていたのか忘れたりするわけである。今日のところは、朝ゴミを出すべく7時20分にアラームをかけて目を覚ましたのだが挫けて二度寝をしてしまい8時半起床でゴミを出せなかった。朝食後雪かきに出ると、どういうわけか思ったよりも雪は積もっていた。これまた不思議だ。どう考えても昨日の朝の方が積もっているはずだったのだが。
昼を挟んで11時から1時まで2時間もコタツで気絶してしまった。指値はしたものの相場は動かず。夕方一瞬動いたときにもぎりぎり届かず。というわけなので本日の相場は静観、ハリルホジッチの会見を見たのと母のところに行った以外はほぼ何もしていないような一日。幸いながら本日は雪はちらちらと舞った程度で積もらなかった。