書けない

1月17日、日曜日。

テレビで盛んに明日は大雪だと言っているのだけれど、いまひとつ緊迫していないというか油断しているのは「太平洋側で」ということだから。しかし都心で10cm、北海道の東部に至っては24時間で120cmという大雪だというのだから、その中間に位置するこの辺では一体どれぐらい降るのだろう? 今までの帳尻合わせでドカ雪が降ると参るなあ……。

今朝起きて外を見たらまた雪が積もっていたのだが、1cm程度で雪かきをするまでもなく日中には道路の雪はすっかり融けてしまった。もう1月も後半だというのに気味が悪いくらいに雪がない。ここは雪国であるはずなのに。

それはそうと、先日ちょっと書き始めた小説、あれから一行も書けない。今日も終日考えていたのだが断片的なアイデアしか浮かばず全体像が見えるアイデアがちっとも思いつかない。ときおり浮かぶ細切れのアイデアも相互に結びつかない。まったくもって煮詰まっている。もう俺は書けないのではないかという絶望を覚える。四六時中考えているとあまりにも煮詰まって本格的に鬱屈してしまい、悲観的というか厭世的になってしまう。そのたびに気を取り直そうと別に書かなくてもいいじゃん、と思ったりしてみるのだが、要するにマインドとしては何か書きたいのである。

ひとつには長編を書こうと思っているので無理があるのかもしれない。小説のプロットに煮詰まるのは別に今始まったことではなくて、かつて小説を書きまくっていた40歳のころも同じように煮詰まって、結局使い古されたプロットで書こうと思って書いたのが「幽霊譚」だった。

確かに別に何も書かなくてもいいはず。だが書きたいという気持ちがあるうちは書いた方がいいはず。たぶん邪魔しているのはいいものを書きたいという欲望なのだろう。

それはともかく、柚木裕子「孤狼の血」読了。

とまあ、大体ツイートした通りでがっかりだった。少々期待していただけに。いろんな人のツイートとか帯の惹句を見て期待し過ぎたのかもしれない。例えば主人公である日岡が空手の有段者であるというせっかくの設定が結果的にはほとんど生かされていない。悪徳警官である大上(おおがみ)に魅力がまったくない。あまりにも紋切り型で言動の予測がついてしまう。彼に魅力を覚えないとこの話はどうにもならない。結局、ここで描かれている警官たちは、結果的に警察という権力をかさにしているだけになっている。例えば物凄く喧嘩が強いわけでも物凄く頭がいいわけでも機転が利くわけでもない。かといってどこか間の抜けているというような愛すべき点もない。ネタバレになるのであまり書けないが、結局はメタフィクショナルなアイデアだけに終わっちゃったな、という感じ。

夜は市川崑監督「破戒」を見た。島崎藤村のアレである。古い映画なので役者陣の時代がかった演技に少々鼻白みながらも最後まで見た。それなりに面白く見れたんだけれども、最後がちょっと納得いかなかったな。ちなみに藤村の原作は読んだことがない。

真面目な話、明日は本当に大雪になるのだろうか。どっちにしても天気予報はこの先ずっと雪だし、山形でこのまままったく雪がない冬になるはずはないから、やっぱりどっかの時点では積もるんだろうな。

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