冬の旅、グリーンマイル

1月10日、火曜日。

9時起床も眠い。昼前にコタツで昼寝。すると、どうやら風邪気味になったらしく喉に来ていて日中は体調が悪い。前回風邪をひいて母のところに行くのをやめたのはいつか調べると先週の火曜、ちょうど一週間前だった。たかだか一週間でまた風邪かよ、という感じ。体調の悪いときはやらないというルールにのっとって、相場は4時で手仕舞い、あとはトレードを控える。

朝方は晴れていたのだが、日が落ちてから雪。借りていた本を読み終わったので6時半ごろに図書館に返しに行くと、ちょうど雪が降り始めたころだった。一冊返して二冊借りてくる。図書館によったら少し体調がましになったように思えたので、習字道具を届ける用事もありそのまま母のいる特養へ。すると、ちょうど僕が着いたタイミングでサイレンを鳴らして消防署の赤いワゴンが入り口のところに停まった。救急車にしては色が赤いし、消防車にしてはホースとかがない。後で聞いてみると、救急車だったらしい。

天気予報では雪はこのままずっと明日一杯降り続くらしい。明日の天気予報は24時間雪。明日の雪かきは間違いない。先ほど窓を少し開けて外を見たらもう白くなっていた。

そんなわけで辻原登「冬の旅」読了。

主人公を巡る人たちにそれぞれエピソードがあるのだが、それが振幅の幅があまりにもあっていかにも作り物っぽい。やり過ぎだ。作者としては一人の過酷な人生を容赦なく描こうとしたのかもしれないし、ある種寓話とか神話的な物語を書きたかったのかもしれないが、大阪の地理とかが実に綿密に書き込まれているのでディテイルはリアリズムを目指しているようでもあり、その割にはエピソードが極端。いずれにせよ救いがない。何をどうやっても破滅して堕ちていく主人公には、罰を受けることにしか救いを見いだせない。主人公のみならず、ほとんどの登場人物がただ罰を受けるだけの存在のように見える。つまり主人公は何をどうやっても追い詰められていくのだが、主人公自身がどこで間違えたのかと疑問を抱くように、さしたる理由もなくほぼ宿命的に、運命的に主人公は破滅へと向かう。それを描き切ったと言えなくもないが、読者は果たして何をそこに見出すべきなのか。

夜、途中になっていたフランク・ダラボン監督「グリーンマイル」を最後まで見た。たまたまというべきか、こちらも救いのない話だった。確かに奇跡の話ではあるのだが、よくよく考えてみれば理不尽で酷い話である。ただこちらの方は救われる人たちもいる。スティーヴン・キングの話はどうも個人的にすとんと腑に落ちないのだが。といいながら今日図書館から借りてきたのはスティーヴン・キングの「ミスター・メルセデス」であるのだが。

この、たまたま同じ日に読み終えた小説と見終えた映画の両方で、人は何故罰を受けなければならないのかという同じものが垣間見えた。そして「何故」という部分に於いて、どちらにも答えはないのである。いうなれば神の理不尽さとでもいうべきなのか。

深更、さてこの日記を書こうかと思ったところで例のFirefox の不具合を直したくなり、あれこれやっているうちにこんな時間になってしまった。原因はブックマークで、最後に追加したブックマークがどうも無限に増殖しているようなのだ。だがどうやってもブックマークそのものを削除できない。うーむ。

ああ、明日の朝は雪かきなのに……。

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