疫病神

6月3日、水曜日。

黒川博行「疫病神」読了。とにかくとんでもなく面白かった。黒川は「悪果」を読んだときに警察の賭博捜査をあまりにも克明に書いてリアリティに拘るあまり説明的になってしまい物語の推進力を欠きがっかりしたけれど、これはそれとは一線を画すスピード感。軽快な大阪弁の会話を中心にだれるところがない。まさにノンストップ・エンターテインメントだった。うらぶれた建設コンサルタントとヤクザという、主人公二人の組み合わせが絶妙。シリーズ化するのも分かる。驚くべきは、ヤクザが跳梁跋扈する暴力的なストーリーなのに、最後までただの一人も死人が出ないのである。見事としかいいようがない。中学生が主人公の「ソロモンの偽証」ですら死人が出るのに。誰も死なないハードボイルド、クライム・ノヴェルなのにスリルとサスペンスは揺らぐことがない。それでいて大阪弁でなくては出せないゆるい感じ、ユーモアのバランスが素晴らしい。ああ面白かった。

巻末の解説を読んで、この「疫病神」の次作が「破門」(直木賞受賞、映画化)だとてっきり思っていたのが、「破門」はシリーズ5作目であるということが判明、2作目の「国境」もアマゾンで注文。

それはともかく、またやってしまった。また午前中寝込んでしまったのである。しかしながら今日のところは8時台に起きたことは起きたのだが昨日のように異様にだるいわけでも眠気が凄かったわけでもなく、さしたる理由はなかったのだ。朝食後、なんとなくソファに寝転がって「疫病神」を読んでいたのだが、少々寒い感じがして毛布をかけたらなんとなくそのまま寝てしまっていた。1時間半。なんか妙な癖がつきつつある。これでは午前中の存在意義がない。確かにいまだに体調がいいわけではないが、夜飲んだ珈琲が美味しく感じられたところをみると、今日のところは大分ましだったはず。なんでこうやたらと寝てしまうのかよく分からない。

午後は相場。夕方になり、前述のようにそれほどだるくてどうしようもないというわけではなかったので、散歩がてらスーパーまで歩いて買い物に行ってみる。片道10分だが、また例によってどっと疲れが出てしまうのではないかと恐る恐るである。これを書いている現時点ではどうやら大丈夫のようだが。

32度まで気温が上がった昨日に比べると今日は比較的暑くなかったと思ったら、母のところでニュースを見ると最高気温が26度だったようだ。西日本は梅雨入りしているらしいし。こちらも夕方通り雨。今日の母はやはりぼんやりはしているし、日中叔母が訪ねてきた(記帳してあった)ことも記憶にないようだったが、知人の人が置いていったという日本の童謡を集めた本が枕元にあったので僕がそれを見て歌っていると、途中から一緒に歌ったりしたのでそれほど調子が悪いわけではなさそうだった。ただ、日に日に心ここにあらずという感じで年老いていく印象は否めず。

帰宅後の夜は日中から持っていた相場のポジションを指標のタイミングで利食い。その後は嫌な感じがして指値を外したが、それで正解だった。今日の相場は夕方に絶妙なところでついた指値を早々にビビって利食いしてしまい、失敗したという印象が強かったのだが、結果的にはまずまず。というか、改めて相場は難しいなと思った。

今日は先日再選されたばかりのFIFAのブラッター会長が突然辞任したのには驚いた。恐らく自身にも捜査の手が回ってきたのだとは思うが、だったら立候補しなければよかったのにと思う。

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