不安定な世界

夕方、空気清浄機が届いた。まず箱の大きさにびっくりした。本体自体はそれほど驚くような大きさではないけれど、見かけがなんか昔のアメリカの冷蔵庫をちっちゃくしたような感じ。感染症予防のためなので、電車の車内広告で見かけた、花粉まで粉砕する高機能の奴を買った。カビとか怖いし。スウィッチを入れて駆動させてみると、あんまり静かなので驚く。で、煙草を吸うと、ハウスダストとニオイのインジケーターがオレンジになって動作する。かなり敏感。サッカーでいうと、90分のうち89分はさぼっているが、1分だけ動いてゴールを決めるフォワードみたいだ。

今朝は2度寝して8時まで寝た。起きて朝食を摂ってコーヒーを飲んでいると、北朝鮮が衛星だかミサイルだかを打ち上げて失敗した。別にどっちでもいいのだが、やっぱり北朝鮮が言うように人工衛星なのではないかと思う。何故なら、他国を招待した上で打ち上げて、軌道を見ればバレバレだから。で、発射前の写真を見るに、どうも失敗するべくして失敗した感も否めない。そもそも人工衛星の設計―施行というものがそんなに短期間で出来るわけはないし、見た目もそんな精度を持っているようには見えず、お粗末過ぎる。巷間で言われているように新体制確立と記念日に合わせるために焦ったのかもしれないが、どう考えてもかなりの確率で失敗しそうなものを世界の衆視の下で打ち上げるほどアホなのだろうか。アホなのかも知れない。しかし、もしかしたら最初から失敗が企図されていた可能性も無視出来ない。つまり、わざわざ赤っ恥を掻いて見せた、というわけだが、まあそんなことはどうでもいい。それよりも、昨日の夢の続きを見たような気がするのだが、何しろ夢のこと、定かではない。

8時まで寝たせいか、いささか無謀かと思ったが夕方まで普通に業務をしてみたのだが、昨日のように帰宅してからがくっと来ることはなかった。ということは、自分で思っているほど体力は落ちていない、ということになる。それはいいのだが、夜になって強い不安感を覚え抑うつ状態に突入、精神状態が不安定に。手が痺れて指が痛いのは強いストレスを覚えているせいだ。頓服を飲んで田舎の母親に電話してなんとか治めようとしたのだが、どうもその母親の声と喋り方が一気に老け込んで聞こえ、数日前とはまったく別人の、どこかの老婆と話している気がしてかえって不安になってしまった。おまけに母親が最近になって立て続けにうっかりしてしまった出来事ばかり列挙するものだから、もしかしたら認知症とかボケ始めているのではないか、という想像に駆られ余計に不安になってしまった。多分に数日前に風邪を引いたせいで声が低いことに起因していると思うが、うつのときは何かと悪い方に過敏になっているので、一旦そう思い始めるとどうしてもそういう風に聞こえてしまい、参る。念のため仙台の弟に電話してそんな兆候がなかったが聞いてみたのだが、弟は母は単に風邪を引いて疲れているだけで杞憂に過ぎないと言うので、恐らく僕の気のせいなのだろう。しかし、なんか嫌な感じはなかなか拭い切れない。

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長い夢を見た。水に関する夢だった。2時間無理をしたら2時間死んで、そんな夢を見て生き返った。喉が渇いていたのだろうか。夕方駅前から帰宅後に血尿らしきものが出て、夕食後に一気に反動で疲れが出て、おまけに抑うつ状態になって、そんな風に僕は死んだのだった。目が覚めて真っ先にしたのは体温を計ることだった。熱はなかった。どうやら本当に生きているらしい。そんなわけで今、久しぶりに大貫妙子のアルバム「MIGNONNE」を聴きながらこれを書いている。やっぱり大貫妙子はこのアルバムが一番好きだ。特に冒頭の「じゃじゃ馬娘」からのA面の流れ。

中途半端な時間に2時間も寝たので、今日は何時に眠れるだろうか。今朝は、入院中の習慣で6時に目が覚めた。12時過ぎに寝たのだが。物凄く疲れていたのになかなか寝付けなかった。睡眠薬を飲まずに寝ようと思ったのだが、結局諦め、1錠飲んでようやく眠れた。明日もやっぱり6時に目が覚めるのだろうか。体調の方は、昨日ほどではないにしろ、1日の中でアップダウンを繰り返す。当たり前だが、まだ無理は利かないようだ。長時間は無理。

退院してから買った(注文した)もの。シンセサイザー。空気清浄機。帽子。ハンドソープ。いずれも闘病グッズ。シンセは闘病中に曲を作るため。たぶん大半はエレピとして使うと思う。ハンドソープと空気清浄機は免疫機能低下時のため。帽子は副作用で毛が抜けたときのため。前向きなものと後ろ向きなものが混在して。

そういえば、入院中は繋がらなかったが、午後電話をしてみたらヤマザキに電話が繋がった。ヤマザキは花粉症で鼻声だった。卒業後にヤマザキがピアノを弾いていた恵比寿のライブハウス「ピガピガ」の実質的なオーナー、ジャズ・ドラマーの石川晶について話した。昨日たまたまサックスの土岐さんの娘、土岐麻子がツイッターで石川晶の昔の音源を「最高!」って言ってたので、YouTubeで聴いたところだったから。ウィキペディアで調べたら、石川さんは10年前にアフリカで亡くなっていた。ピガピガはその前年に閉店していた。僕はその店で1度だけ、ヤマザキに頼まれてギターを弾いたときがある。そのときに石川さんが僕のことをゲスト、と客に紹介したことを覚えている。あのとき、僕はスケザと紹介されたのだろうか。それとも本名の方だったのだろうか。とにかく、僕は石川さんと一度だけ共演したことがあるのだ。今となるとちょっと誇らしい。

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退院

いつも通り6時に起こされ、朝食後に特に異常がないことを確認して、無事退院が決定。というわけで、会計が上がってくるまで時間があるので、いつも一服している、川を渡ったところの遊歩道沿いの小さな公園の奥にあるベンチで、エスプレッソを飲みながら時間を潰す。辺りはさながら桜の花で覆い尽くされた森のようだった。

会計を終えるころには外は小雨がパラつき、重い荷物を持って駅まで歩く体力はさすがにないので、タクシーで駅まで。ドトールで一息吐いてから電車に乗る。今日はずっと飲んでいた吐き気止めを朝飲まなかった。すると、電車の中で軽い吐き気を覚える。やっぱり多少の副作用はある。地元の駅に着き、地元のドトールで昼食用のサンドウィッチ、スーパーでサラダと飲み物とかを買ってこれまたタクシーで帰宅。もうすっかり息は上がってへろへろである。高々一週間ちょっとの入院だが、帰宅してみるといろんなことに驚かされる。食器棚の上のパンのかけらはカビの塊になっており、昨日の点滴で免疫力が下がっており、エイズでお馴染みのカリニ肺炎(カビが原因)に成り易くなっているので洒落にならない。おまけに炒ったまま放って置いた鍋の中のコーヒー豆までカビ、慌ててゴミ箱に捨てる。もちろん、窓を開けて換気。久方ぶりにPCを立ち上げると、まず最初に感じたのは解像度の違和感。入院中はずっとiPhone頼みで高解像度の文字を見慣れた目には、PCのブラウザ上の文字のなんかぎざぎざっとした解像度の悪さに唖然とする。メーラーを立ち上げると案の定2000件以上のメール、9割以上がスパム。それはともかく、入院中の日記をざっと眺めると自分では苦労して書いたつもりが皆短いのでびっくり、やっぱり携帯というかスマホで日記を書くというのは入力も面倒だし全体を把握出来ないので難しい。もちろん、曲りなりにも病床で集中力を保って書く、ということ自体が難題でもあった。

なんだか知らないけど、帰宅した途端に手というか指が痺れてしょうがない。医者は明日辺りからどすんと体力が落ちる感じがする、と言っていたが既に落ち切っている。病院の中にいる間は案外平気と思っていたのが、帰ってみると何事もしんどい。コーヒーの豆を半分捨ててしまった手前もあり、まともなものを食べられる気配もないので、夕飯は駅まで歩いて行って蕎麦屋で済ませ、スタバで豆を買い、本屋で貴志祐介「悪の教典」がノベルスになっていたので買い、またまたスーパーでトマト、パンその他を買い、帰途に就くがしんどい。体感的には体力が入院前の3分の1程度。いまだ小雨が降っているので途中で休むわけにもいかず、半ば遭難しそうになりながらようやっと部屋に辿り着く。これを書いている今も指が痺れてキーボードを打ち辛い。おっと、キーボードと言えば、帰宅早々ネットでシンセサイザーを買ってしまった。この状態では当分まともに弾けそうにもないが。時計を見ると病院ではとっくに寝ている時間、粗食と時差ボケを修正するのにどれぐらいかかるか。今は湯船に湯を溜めている。ようやっとシャンプーで頭を洗える。

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入院8日目

この入院の間、なにかと悩みのタネだった睡眠だが、昨夜コンビニで耳栓を購入したら一気に解決した。っていうか、2晩目ぐらいにもう既に耳栓がいるな、とは思っていたのだが、何故ずるずると昨夜まで来てしまったのだろうか……。分からん。

今日は最後の点滴の日、遺伝子組み換えの新しい薬を半日かけて点滴する。というか、もちろんこれを書いている今はすべて終了、とにかく疲れた。これといった副作用も特になし。ただ疲れただけ。入院してからの日記を読んで分かると思うけど、病気や治療に関してさしたる不安を覚えないのは、すべてが明解だから。やるべきことははっきりしており、後はそれを淡々とこなしていくだけだ。これで何事も無ければ明日にはめでたく退院、ようやくこの入院生活から解放されることになる。

ちなみに今読んでいるのは、カズオ・イシグロ「充たされざる者」だが、さすがに「ジェノサイド」の後ではいささかかったるい。

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入院7日目、ジェノサイド

今日も相変わらずヒマな1日。食後にステロイドを飲んでいるだけなので無理もない。昨夜は結局頓服を飲んで寝たのだが、夢ばかり見てあまり熟睡出来た印象はない。3時過ぎに回診です、とのことで大学病院につきものの例の大名行列がやって来て、誰が来るのかと思ったら何の事はない、最初からかかっているE先生、あ、御無沙汰してます、なんかリラックスして、みたいな緩い会話で終了、いずれにしても明後日には退院出来そうだ。

で、高野和明「ジェノサイド」読了。とんでもないものを読んでしまった。たぶんこれまで読んだエンターテインメント小説の中で1番面白い小説。どうもミステリのランキングに挙がったり、冒険小説(確かにそうなのだが)として扱われている気配だが、基本これはSF小説であり、クライシスノヴェルである。そこさえ受け入れることが出来れば法外に面白い小説。英訳されれば、ヒューゴー賞、ネヴュラ賞、アメリカ探偵作家クラブ賞(だっけ)、その辺を総ナメにしてもおかしくない。とにかく未読の人は本屋に走った方がいい。

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入院6日目

食事の1時間前になると、オートマティックに空腹感を覚え、じっと食事が出てくるのを待つ。まるで自分が飼育されている実験動物のように思えてくる。つまり、「慣れ」=「馴れ」のように思えてくる。

これを書いているのは、1階にある吹き抜けのショッピングモールのような広い通路にある、窓際のテーブルだ。やっぱりiPhoneでまともな文章を書くのは難しいので、ノートに下書きをしている。しかし、この文章をまた入力しなければならないと思うとうんざりする。

というところまで入力したところなのだが、問題は本来これは書くものであって、入力が目的ではない、という点だ。それはともかく、こんなことをうだうだ書いてるくらいだから、今日はさしたる出来事はなかった。ただゆるゆると時間が過ぎて行き、日は翳り夜の帳は下りる。いつもと違うところはと言えば、夕食を終えた先程から若干の不安感がぼんやりと僕の身体の中に在る。たぶん、うつの方の症状、っていうか見知らぬ人間、それも当たり前のことながら生活音を立てる人間たちと同じ空間にずっといればストレスを覚えて当然、よく今まで持ちこたえたと思う。頓服を貰おうかとも思ったが、これを書いているうちになんとなく誤魔化せたようで、皮肉なことに入力にも少し慣れてきた。

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入院5日目

この病室は4人部屋で、現在僕も入れて3つのベッドが埋まっている。僕以外の2人は老人、と言っても60代中半といったところ。全員が癌患者だ。毎日のように見舞い客が来るのが1人、ごく稀に人が訪ねてくるのが1人、誰も訪ねて来ないのが1人、最後のが僕だ。ところが、驚いたことにそんな僕のもとに来訪者があった。

今日の前半は何故か寝てばかりだった。昼食後も2時まで寝てしまい、寝過ぎて頭痛。そんなわけで目を覚ますために外に出てみると、川沿いの桜はどうやら今日が本当の満開、ちょっと圧倒されるような咲きっぷり。それを眺めながらベンチでいろんな人に電話をかけてみる。しかし母親を除けばことごとく留守電、まあともあれ相変わらずヒマを持て余す。一旦病棟に戻ると、弟が折り返してきたので喋っているとそこにキャッチホン、見ると元妻からだった。で、話してみると、これから見舞いに来てくれると言う。1時間半ぐらい待っただろうか、夕食まで30分、というところで彼女が到着、苺とバナナを届けてくれた。一服しようということで、1階のドトールで飲み物を買い、先程と同じベンチで雑談、外は冷たい風が吹いてすっかり寒く、煙草2本ほどで僕らは病室に戻り、それから帰る元妻をエレベーターまで見送った。ともあれ、この訪問はまったくの予想外だっただけに非常に嬉しかった。ちなみに今日の夕食はビーフカレーで、これまたびっくりした。

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入院4日目

まだ4日目。最低でもあと4泊しないと、僕はこの管理システムから抜け出すことは出来ない。

昨夜は寝つきはよくなかったものの、一応眠れた。昼前に最初の副作用が来た。軽い吐き気と悪心。吐き気止めを点滴され、2時間ほどで治まる。それほど大層なものではない。今日から4日間、ステロイドの錠剤を飲むだけなので、目下のところ僕を悩ませるのは、ヒマである。満開になった桜を眺めながら日向ぼっこをして午後の時間を潰す。その後は副作用はなく、というか夕食から吐き気止めを処方されて、3日ぐらい飲むことになっている。どうも癌の治療をしているという緊迫感がなくて申し訳ない。それにしても高野和明「ジェノサイド」、評判通り面白い。

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入院3日目

昨夜は一応眠れたんだけど睡眠不足、採血に起こされた後も朝食までうだうだと眠り、っていうか、腹を減らして朝食を待つなんてゴメンなので、今後もこの方針。今朝から毎食後、抗がん剤のひとつであるステロイド、副腎皮質ホルモンの錠剤を4錠ずつ飲む。ちょっと手が痺れるような感覚があり、強い薬なんだなと思う。医者曰く、他の抗がん剤の副作用を抑える作用もあるとのこと。午後から抗がん剤の投与、点滴開始、さしたる緊迫感もなしにぼうっと点滴を受ける。実際、特に何も起こらない。ときおりうとうとして夢を見たり、17階の窓の外をヘリコプターが虫のように横切るのを眺める。3時間、そんな感じで何事もなく終了、いささか拍子抜けのようでもあるが、事前からそんな感じがしてた。その後も今に至るまでこれといった副作用はなく、医者は24時間後に吐き気が出ることも、と言ってはいたが、そしたら薬を出すということで、要するにいまどきの抗がん剤治療というのは、こんな感じなんだろう。

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入院2日目

昨夜は例の騒々しいおっさんのせいなのか、それとも入院という特殊な条件下に置かれたせいなのか、睡眠薬を飲んでも一向に眠れず、酷い頭痛にまで襲われてほとんど眠れなかった。よって、骨髄の検査はあったが午前中はずっと寝てた。午後も検査がひとつだけと、ヒマな一日でかえって精神的には煮詰まる。とにかく病院のベッドというのは、何をしても頭がぼうっとしてくるし、それが高じると鈍痛がしてくる。つまり、何か作業をするのにまったく適していない。今日の成果と言えるのは、師長に訴えて例のオヤジのベッドを移動させたことぐらいだが、それも単なる距離の問題に過ぎず、根本的な解決というわけではない。明日からはようやくお待ちかねの抗がん剤の治療が始まるが、それにしてもiPhoneで日記を書くのは疲れる。

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